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いつでも元気

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まちのチカラ 茨城県ひたちなか市 海と花とほしいもの聖地

文・写真 橋爪明日香(フォトライター)

丘一面に青く染まるネモフィラが訪れる人を優しく包む国営ひたち海浜公園

丘一面に青く染まるネモフィラが
訪れる人を優しく包む国営ひたち海浜公園

茨城県の太平洋沿岸に位置するひたちなか市。
一面を青く染めるネモフィラが咲き誇り、
港町には豊かな海の幸が並びます。
全国有数の生産地として知られる
ほしいも文化も魅力のひとつ。
自然と食の魅力に触れる旅へ出かけました。 

 東京から電車を乗り継ぎ約1時間半。海から吹く潮風が心地よく、どこか懐かしい空気が漂うひたちなか市に到着しました。

青一面のネモフィラ  

 まず訪れたのは、春の風物詩として全国に知られる国営ひたち海浜公園のネモフィラ。4月中旬から5月上旬にかけて、みはらしの丘一面を約530万本のネモフィラが埋め尽くします。丘を登っていくと、視界いっぱいに広がる淡いブルー。空と海をつなぐように青が溶け合う絶景です。ネモフィラは和名で瑠璃唐草とも呼ばれ、近年は青の絨毯として話題に。国内外から多くの観光客が訪れます。
 秋には真っ赤に色づくコキアなど、季節ごとに花々が入れ替わるため、何度でも訪れたくなる場所です。総面積約350haという広大な園内には、自然散策路やサイクリングコース、遊園地などが整備されており、子どもからシニアまで、車いすの方でも楽しむことができます。

海の恵みずらり

 ひたちなか市を訪れたら外せないのが、那珂湊漁港前にある那珂湊おさかな市場。市場にはマグロ、岩ガキ、ホタテ、カニなど旬の魚介がずらりと並び、威勢のいい掛け声が飛び交う活気ある空間が広がっていました。
 数多くの海鮮店や浜焼き店が立ち並ぶなか、行列に並んで海鮮すし海花亭の極上海鮮丼をいただきました。丼いっぱいに大とろ、中とろ、ぼたんえび、ウニやイクラと色鮮やかな海の幸が敷き詰められ、思わず声が漏れるほどの豪華さです。
 ほかにも、その場で焼いたハマグリや生ガキを味わいながら、市場を歩く食べ歩きも人気。お土産用の干物や海産加工品も充実しており、つい時間を忘れてしまうほどです。

味わい多彩なほしいも

 実はひたちなか市は、全国でも有数のほしいもの産地です。冬になると、市内のあちこちで黄金色のほしいもが天日干しされ、風景の一部となっています。
 ひたちなか地域に、ほしいもの製造技術が伝わったのは明治時代。農業や漁業の副業として定着し、現在では全国シェア90%以上を誇ります。その背景には、水はけの良い火山灰土、ミネラルを含んだ潮風、冬季の長い晴天といった、この地域ならではの自然条件があります。
 明治30年創業の専門店大丸屋を訪ねました。15品種の多様な色合いのほしいもが並び、平切り、丸干し、スティックタイプなど形状もさまざま。30種類以上というバリエーションの豊富さにも驚きました。
 「無添加で食物繊維もたっぷりなほしいもを使ったジェラートも、ヘルシースイーツとして近年人気が高まっていますよ」と案内してくれたのは、主任の大曽根義幸さん。新商品で希少品種の「星きらり」は滑らかな口当たりで、オレンジがかった「はやと」は香りと後からくる甘味が印象的でした。品種によって思った以上に味が違い、ほしいもの奥深さに夢中になります。

ローカル線の車窓

 最後に、ひたちなか市を旅するならぜひ乗っていただきたいひたちなか海浜鉄道をご紹介します。JR勝田駅から阿字ヶ浦駅までの11駅を14・3㎞で結ぶローカル線で、地域の人々の暮らしを支えながら観光客にも親しまれています。
 ホームに入ってきた車両はレトロな雰囲気。車内に入ると、思わず目を引いたのがほしいも型の吊り革です。遊び心たっぷりのデザインに、乗客たちも写真を撮りながら楽しんでおり、地域愛を感じる仕掛けに笑顔がこぼれます。列車がゆっくりと走り出し、住宅街を抜けると、のどかな田園風景が車窓に広がっていきました。
 終点の阿字ヶ浦駅で降り、徒歩2分ほどで到着したのが堀出神社境内にあるほしいも神社。黄金色に輝く鳥居やバイク、この地域でほしいもを広めた先駆者の小池吉兵衛翁の銅像などが敷地内に。宮司の宮本正詞さんは元気いっぱいで、神社と地域を盛り上げるために精力的に参拝客を迎えます。「ホシイモノ(欲しいもの)は総て手に入る」という言葉に夢が膨らみました。
 さらに、磯崎駅から徒歩10分の場所には、樹齢300年の木々に囲まれた神秘的な酒列磯前神社も。那珂湊駅近くには水戸藩ゆかりの那珂湊反射炉跡、中根駅の虎塚古墳など、沿線には歴史や文化を感じられるスポットがたくさんあります。
 青い絶景に心洗われ、港町の味覚を堪能し、地域に根付く文化や人の温かさに触れる。四季で異なる景色と出会えるひたちなか市へ足を運んでみてください。

■次回は東京都の千住地域を取り上げます。

 

まちのデータ

人口
15万1652人(3月末現在)
おすすめの特産品
ほしいも、あんこう、イセエビ、タコ加工品、タカミメロン、那珂湊焼きそば
アクセス
東京駅から勝田駅までJR常磐線特急で約80分、東京から車で約75分
問い合わせ
ひたちなか市観光協会
029–273–0116

いつでも元気 2026.7 No.416