くすりの話 子どもの薬の飲ませ方
執筆/湯浅 將平(三重・ファルマネットみえほほえみ薬局、薬剤師)
監修/石井 亮(全日本民医連薬剤委員会、薬剤師)
読者のみなさんから寄せられた質問に
薬剤師がお答えします。
今回は薬を服用することを嫌がる子どもへの
飲ませ方の工夫をお伝えします。
色々な形と使い方
子ども用の薬にはいくつかの種類があります。粉薬(散剤)は量の調整がしやすく、最もよく使われます。少量の水で練ってペースト状にし、頬の内側や上あごにそっと塗ってあげると、自然と飲み込んでくれることが多いです。
シロップ剤は甘くて飲みやすいので、乳幼児向きです。スポイトで口の端からゆっくり流し込んであげましょう。
坐薬は、口から飲めない時や嘔吐している時にとても頼りになります。先端を少し水で濡らしてから挿入し、入れた後は30秒ほどそっと押さえてあげてください。
錠剤やカプセルは、目安として5〜6歳以上から。コップ一杯の水と一緒に、ゆっくり飲ませましょう。
年齢に応じた飲ませ方
赤ちゃんの頃(0〜6カ月)は、母乳やミルクには混ぜずに、スポイトで少しずつ口の端から流し込むのが安全です。7カ月を過ぎたら、水に溶かして飲ませられるようになります。ただし、1歳未満のお子さんにハチミツは厳禁です。ボツリヌス菌の食中毒のリスクがあるためです。
1〜3歳のイヤイヤ期の頃は、服薬補助ゼリーを使うとスムーズにいくことがあります。お子さんが好きなジュースやヨーグルトにそっと混ぜるのもひとつの手です。
4歳を過ぎると、水に溶かした粉薬を自分で飲めるようになってくる子も増えます。7歳以上になったら、「なぜ薬を飲むのか」をやさしく説明してあげることも大切です。子ども自身が納得して飲むと、ぐっとスムーズになります。

混ぜていいもの・気をつけたいもの
薬を飲みやすくするために何かを混ぜる場合、アイスクリーム(バニラ)・ヨーグルト・服薬補助ゼリー・ジャムなどは相性がよく、おすすめです。一方で、グレープフルーツジュース・牛乳(一部の薬)・お茶・スポーツドリンクは薬の吸収や味に影響することがあるので、避けた方が安心です。
前向きな声かけ
どうしても薬を嫌がるときは、まず「飲んだら一緒に〇〇しようね」と前向きな声かけをしてみましょう。薬に嫌なイメージを持たせないことが大切です。
薬を飲ませることに悩むのは、それだけわが子のことを真剣に思っているからです。困った時は、かかりつけの医師や薬剤師が頼りになる存在です。一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
いつでも元気 2026.8 No.417
