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いつでも元気

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ケアスナックの夜 東京

八田 大輔(編集部) 

〝ママ〟の鈴木さん(中央)と常連の奥村さん(左)

〝ママ〟の鈴木さん(中央)と常連の奥村さん(左)

医療・介護のロがもてなす「ケアスナック」が
立しがちな高齢者の居場所として注目されています
新しい〝たまり場〟を目指す
東京保健生協の挑戦を紹介します。

 東京都文京区の看護小規模多機能型居宅介護事業所「千石にじの家」(以下、にじの家)。通いサービスを中心に訪問介護・看護、泊まりのサービスを提供しています。
 5月20日、通いの利用者が帰宅した夕暮れ時、にじの家は「ケアスナックにじ」に変身。一人また一人と参加者が集います。参加した7人の平均年齢は約80歳。最高齢は95歳です。
 テーブルに並ぶのはトマトの甘酢漬けや夏野菜の和え物、グリンピースのおにぎりなど彩り鮮やかな計6品。管理栄養士がレシピと調理を担当し、栄養バランスはもちろん、味も折り紙付きです。
 午後6時、ビールやワイン、緑茶など、それぞれ好きなドリンクを手に乾杯。一日の仕事を終えた職員も交えて話に花が咲きます。
 宴もたけなわ。今回が3回目の参加となる阿部さんがマイクを握り、「青春時代」の替え歌「年金時代」を熱唱。「年金時代の〜まん中は〜医者に通って、いるばかり♪」。会場が笑いに包まれます。
 地域の方も職員も、お酒を飲むのを忘れるほど歌やおしゃべりに夢中。8時になっても話題は尽きず、終了時間をちょっとオーバーして閉店となりました。

〝ママ〟は介護部長

 「普段一人で食事をしている方が楽しめる、地域の〝たまり場〟を作りたかった」と語るのは、東京保健生協の介護事業部長、鈴木美香さん。2016年ににじの家を立ち上げ、24年には地域住民の暮らしを支援する「地域サポートセンター」を開設。地域のニーズを掘り起こすうち、一人で食事をとる〝孤食〟の状況にある高齢者が多いことを知ります。
 自宅にこもりがちな高齢男性や、介護が必要な人でも楽しく参加できる取り組みができないか。方法を模索していた鈴木さんの目にとまったのは、ケアスナックを取り上げたニュースでした。
 「スナックならお酒を介しておしゃべりも弾むし、男性も足を運びやすいのでは」と鈴木さん。調理スペースとカラオケがあり、送迎もできるにじの家で、26年1月にオープンしました。
 初回の参加者は2人。たとえ参加者が少なくても月1回の取り組みを続けようと、地域サポートセンターや介護事業所を中心に地道に宣伝しました。対象は生協組合員としていますが、組合員以外も大歓迎。回を重ねるごとに参加者が増えています。
 「ここでの肩書きは部長ではなく〝ママ〟。知らない人同士が仲良くなれるようにお手伝いします」と笑う鈴木さん。ひょっとすると、誰よりも楽しんでいるのかもしれません。

専門職が健康チェック

 ケアスナックにじのスタッフは介護福祉士に管理栄養士、看護師、ケアマネジャーの専門職。乾杯前の健康チェックはもちろん、参加者が飲み過ぎないように目を光らせます。
 「ガバガバ飲む人はいませんが、もしもそういう方がいればセーブするように声をかけます」と、看護部長兼〝チーママ〟の高野好枝さん。健康や介護に関する悩みなど、ざっくばらんに相談できる場にもなっています。
 95歳の奥村徳行さんは、ほぼ毎回参加している常連。6年ほど前に妻を亡くし、今は一人で食事をとることが多いそうです。「区や自治会の役員をしていた頃はつきあいや会合もあったけど、今はほとんどありません。ここで同年代の方と話すのが楽しみです」と語ります。
 ケアスナックの夜が更け、「また来るね!」と会場を後にする参加者の皆さん。少しのお酒と楽しいひとときのおかげで、今夜はぐっすり眠れそうです。


ケアスナックにじの取り組は、第17回全日本民医連共同組織活動交流集会(9月27〜28日、東京ビッグサイト)の分科会で発表されます。参加申し込みは8月3日締め切り。

【問い合わせ】
全日本民医連共同運動部
電話:03-5842-6451

いつでも元気 2026.8 No.417