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いつでも元気

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街なかの海鳥

目が覚めて伸びをするミサゴ(2026年2月、沖縄市)

目が覚めて伸びをするミサゴ(2026年2月、沖縄市)

 自然の観察をしていると、「先入観は役に立たないな」と痛感させられることが多い。
 ある朝、警備のアルバイトのため、街角の資材置き場でラジオ体操の準備をしている時だった。少し離れた歩道の木の上で、何かが動くのが見えた。近視の僕は「シラサギかな?」くらいに思っていた。視力が悪いのにカメラマンができるのは、第六感のようなものでカバーされているらしい。
 さて、ラジオ体操が始まると、その生きものはおもむろに伸びをした。ミサゴだった。翼を広げると150㎝にもなる大型のワシだ。広い湖や海上をダイナミックに舞い、とんでもない視力で魚を見つけては急降下し〝鷲掴み〟にする。
 この日、僕が出会ったミサゴは若鳥だった。海まで7㎞ほど離れているので、近くの川や池で魚を獲っているのだろう。人がいるのにずいぶんリラックスしていたが、賑やかなラジオ体操の音で目が覚めたのか、やがて飛んでいった。
 以前から間近でこの鳥を見たいと思っていたのだが、沖縄ではなかなかそのチャンスがなかった。広い水面で狩りをすることが多く、双眼鏡や望遠レンズ越しに眺めるしかないと思っていたのだ。
次の朝、まだ暗いうちにその資材置き場へ行ってみると、予想通り昨日と同じ歩道の上の枝にとまっていた。下を歩いても起きることなく、頭上3mほどでぐっすりと眠りこけている。まさか、こんな近くでミサゴの存在を感じるとは思わなかった。この若鳥はこれからどんな生涯を過ごすのだろう。なんとも愛おしい時間だった。


【今泉真也/写真家】
1970年神奈川生まれ。中学生の時、顔見知りのホームレス男性が同世代の少年に殺害されたことから 「子どもにとっての自然の必要性」について考えるようになる。沖縄国際大学で沖縄戦聞き取り調査などを専攻後、沖縄と琉球弧から人と自然のいのちについて撮影を続ける。写真集に『神人の祝う森』『SEDI/ セヂ』など。

いつでも元気 2026.9 No.418