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いつでも元気

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明日を生きる力 荒馬座

新井健治(編集部)

荒馬座60周年特設サイト

太鼓叩いて人様寄せて、人の輪つないで60年 ―。
今年で創立60周年を迎えた民族歌舞団「荒馬座」(東京都板橋区)。
花笠おどり、獅子舞、ぶち合わせ太鼓、エイサーなど、
伝統的な民族芸能を現代に蘇らせ公演を重ねてきました。
9月以降の記念公演では、新しいソーラン節も披露します。

 全国各地のお祭りなどで受け継がれてきた踊りや唄、太鼓、お囃子。豊作や豊漁を祈り、無病息災や厄除けをもたらす力があると信じられてきました。
 表紙に登場した宮河伸行さんは、荒馬座で演出を担当します。「民族芸能は農業や漁業など労働の現場と、日々のつましい暮らしから生まれてきたもの」と宮河さん。「庶民が力を合わせて自然に働きかける。唄や踊りには、多くの人が失ってしまった肉体労働の所作や、協同作業の喜びが表現されている」と言います。
 荒馬座は舞台での公演だけでなく、小中学校や保育園、介護施設での鑑賞会や体験授業を行います。教師や保育士対象の太鼓民舞教室、親子の体験講座などを通して、人と人のつながりをつくり地域を活性化してきました。

新しいソーラン節

 60周年記念公演は、北海道のニシン漁から生まれた民謡「ソーラン節」がテーマ。踊りは船の櫓を漕ぐ動き、モッコに入れたニシンを背負って運ぶ動きなどを再現します。
 「初めてソーラン節を踊った時、身体の奥からエネルギーがあふれてきた。漁師の労働の所作を追体験することで、からだの何かが喜び心が解放された」と宮河さん。
 宮河さんは小学校で公演する際、子どもたちに「ソーラン節、知ってる?」と聞きます。すると、最初の「かまえ!」のポーズを得意げに披露する子もいます。
 これは北海道稚内市の稚内南中学校が、1992年に創作した「南中ソーラン」のこと。正調のソーラン節に比べアップテンポで、いまでは全国の小中学校の運動会の演目にもなっています。
 記念公演では正調のソーラン節と南中ソーランを織り交ぜた、荒馬座独自の踊りも披露する予定。「どっこいしょ、どっこいしょ、そ〜らん、そ〜らん」。ソーラン節の新たなリズムが響きます。
 宮河さんは「民族芸能には生きる知恵、協同の喜び、困難を乗り越える強さや明るさが詰まっている。自然や人とのつながりが見えにくくなった現代こそ、働く庶民が創った民族芸能の魅力を伝え、明日への生きる力にしたい」と話します。

いつでも元気 2026.9 No.418